調剤薬局の仕事の流れ
調剤薬局の開局時間は門前の医療機関の診療開始に合わせていることが多く、おおむね8時半〜9時くらいが始業時刻となります。
複数の薬剤師が勤務している場合、早番と遅番に分かれて交代勤務をしているところもあります。
また、大病院の門前薬局は24時間体制をとっている場合もあります。
朝、最初に行なうこと
多くの調剤薬局で朝一番に行うことは「清掃」です。
調剤台や散薬分包機など業務に使用する器具類はもちろんのこと、患者さんの待ちあいスペースや軒先、そしてお手洗いの掃除も欠かせません。
やはり薬局のイメージに清潔さは大事ですし、患者さんへの「おもてなし」という意味でも絶対に必要です。
最初の患者さんは医療機関の診療開始から5〜10分ほど遅れていらっしゃいます。
処方箋を受け取ったら
処方箋を受け取る際にはお薬手帳で受診・処方状況を確認し、他院での処方薬を服用しているか、ご自宅にお薬が残っていないかどうかをまず確認します。
前回と比較して処方内容に変更がある場合には、医師からどのような説明を受けているかを患者さんに伺います。
ジェネリック医薬品に変更できる医薬品が処方箋にある場合、患者さんにその旨を説明し意向を確認します。
この時点で処方内容の監査を行い、必要があれば疑義照会を行います。
次に保険情報と処方内容をレセプトコンピュータに入力します。
健康保険は協会けんぽに代表される社会保険と国民健康保険があり、請求先が異なります。
また特定疾患で公費負担となる場合や生活保護を受けている場合、患者さんの負担金がないため取扱いに注意が必要です。
最近では処方箋にバーコードが印字されている場合があり、それを読み込ませるだけで保険情報や処方内容が取り込める場合もあります。
調剤の行ない方
次は調剤に入ります。
処方元の診療科によってどのような薬を扱うかが異なります。
内服では一包化の指示が出ている場合は分包機での調剤、それ以外は原則ヒート調剤となります。
小児科の処方では水薬や散薬どうしで混合したり、錠剤を粉砕したものと散薬を混合することもあります。
外用薬では軟膏や湿布剤や吸入剤、点眼など様々な剤形がありますが、皮膚科の処方では軟膏の処方が多くなる場合がほとんどです。
投薬の流れ
最後に投薬に移ります。
今回処方されたお薬を患者さんに確認していただき、用法・用量や効果、副作用や飲み合わせなどの注意点を説明します。
Do処方(前回と同じ内容の処方)の場合は説明を一部省略し、効果が現れているかどうか、問題となる副作用が出ていないかを患者さんと会話する中で判断します。
投薬後に会計をして自己負担分の額を領収し、処方内容と服薬指導の内容を薬歴に記録して1件の調剤が終了します。
その他の業務
調剤によってお薬の在庫が一定量を切った場合には、卸業者に発注します。
多くの調剤薬局で発注システムが導入されており、インターネットで行います。
卸業者さんはお昼と夕方の2回納品に来られるほか、緊急発注にも対応してくれます。
お昼の休憩は1〜2時間と薬局によりバラつきがあり、交代で休憩に入ります。
薬剤師が1人の場合は、休憩中に患者さんが来局された場合に対応するために外出を禁止されている場合もあります。
終業時刻は門前の医療機関の診療終了に合わせていることが多く、医療機関から「○○様で今日は終了です」と連絡が来ます。
最後の患者さんの調剤・投薬が終了したのち、閉局となります。
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